「クリティカルワーカーの仕事力」 赤堀広幸

要旨

ブレークスルーを実現するには、論理的思考能力と発想転換力の両方が必要だ。
論理的思考能力は、「ロジカル・シンキング」とも呼ばれ、昨今ビジネスの世界でその必要性が認識され、各種の試験や教育が施されている領域だ。基本的には問題を論理的に分解・整理して分析する能力や、物事を筋道立てて説明する能力のことを指す。論理的思考力は、試験などで評価することが比較的容易である。論理は1+1=2のようにデジタル化しやすいので、正解をつくってテストで試しやすいからである。たとえば外資コンサルティング・ファームの多くの採用試験が、こうしたロジカル・シンキングのテストを使っている。
一方、発想転換力とは「クリエイティブ・シンキング」とも呼ばれ、論理的思考力の対極にある能力だ。簡単に言うと、既成概念にとらわれずにさまざまな方法論を考えたり、問題の全体像をとらえてさまざまな枠組みを組み立てたりする能力である。牧野は、「この2つの能力が車の車輪のように高いレベルでバランスが取れていることが、クリティカル・ワーカーの条件」と言う。p102.103


プライベートでも、多々のご教示を受けている赤堀さんの著書。ワークスアプリケーションの事例を用い、クリティカルワーカーの姿、道筋を記してます。

・自分個人のやりたいテーマで仕事が出来る
・自分個人の才能を活かせる仕事が出来る
・社会に貢献するような新しい価値をつくる仕事が出来る
・スケールの大きな仕事が出来る

4つの仕事の理想を実現できる「100人に一人しかできない仕事」ができるようになるための「ノウハウ」。
前例のない課題に取り組み、個人の才能を活かして、根本的な問題解決を通してブレークスルーを実現する「クリティカルワーカー」になるための道筋を学ぶことが出来ます。


感想

「個の潜在能力が引き出されている理想の姿とはどういう状態なのか?」という観点で本書を読みました。
環境に左右されない存在価値を持つ、どのような場面でもブレークスルーを実現できる状態をビジネスマンの一つ理想の姿でしょう。
本書にもブレークスルーを実現するためには、知識や経験が先入観を生み、むしろ問題解決の邪魔になることも多いと書かれていますが、知識の価値が下がってきた時代だからこそ、自身の先入観に常に疑問を持ち、ブレークスルー出来る、他の誰とも代替きかないビジネスマンが求められているように感じます。


2009年の最初にこの本を選びました。不思議と読書はその時々の自分により得られるものが違います。
過去読んだ時よりも、得るものが大きいのは、「問い」を立てて読むことになったからだろう。

提案

・現在の日本において、クリティカルワーカーが活かされる会社のリストアップ
クリティカルワーカーになりたいという思いを持つものは多々いると思うが、ワークスアプリケーション以外で、クリティカルワーカーのポテンシャルを活かすことが出来る会社とはどこなのだろか。